事例紹介
Case study

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鋼帯製品

鉄鋼 鋼帯全長の引張強度を非破壊計測することで、製造リードタイムと鋼材歩留りを向上

連続溶融亜鉛メッキおよび焼鈍ラインにおいて、300m/minの速度で運転される自動車ボデー向けの鋼帯に対し、品質保証項目である0.2%耐力、引張強さは、すべて部分的な抜き取り破壊試験で確認する必要がありました。

3MAの適用により、2.5kmに渡る長尺の鋼帯の0.2%耐力と引張強さを計測することに成功しました。

参考文献:
Wolter, B.; Dobmann, G. Micromagnetic testing for rolled steel. In Proceedings of the 9th European Conference on Nondestructive Testing, ECNDT 2006, Berlin, Germany, 25-29 September 2006.

ホットプレス鋼板

自動車 ホットプレス鋼のインライン品質検査により、破壊検査コストを大幅削減

ホットプレス鋼の機械的特性は、その要求仕様を満たすため、加熱→成形→焼入れのすべてのプロセスパラメータを厳密な許容範囲内で制御する必要があります。しかし、加熱炉の故障・プレス金型の摩耗・プレス機の冷却回路の故障などのプロセス障害が、ホットプレス鋼の品質に悪影響を及ぼす可能性があります。

3MAにより、ホットプレス鋼の硬さ・引張強さ・0.2%耐力・伸び・めっき膜厚・脆性層膜厚の計測が可能となりました。

参考文献:
Yasmine Gabi, Bernd Wolter, Rolf Kern, Christian Conrad, Andreas Gerbershagen. 3MA NDT Inves-tigation for Process Monitoring and Quality Control in Press Hardened Steel. Symposium de Genie Electrique, Jun 2016

抵抗スポット溶接

自動車 抵抗スポット溶接後のナゲット径を高い信頼性で非破壊検査可能に

抵抗スポット溶接の一般的な品質検査として、たがね試験が採用されています。これはスポット溶接の重ね部に「たがね」を挿入し、所定の位置までたがねを打ち込み、破壊しなければ合格としていますが、試験中に塑性変形が生じた場合は、ハンマでたたいて製品を元の状態に戻しているのが現状です。作業者に非常に労力が掛かり、製品品質にも悪影響を及ぼすことも少なくありませんでした。

3MAの適用により、スポット溶接のナゲット径を高い信頼性で非破壊計測することが可能となりました。

スクリュードライブ

自動車 研削焼けの自動検出により、破壊検査コストを大幅削減

電動パワーステアリングのスクリュードライブに対し、研削焼けの検出を目的とした3MAを適用した事例です。

欧州の自動車部品サプライヤでは、このタイプのすべてのスクリュードライブの品質自動監視に3MAを使用しています。

画像提供:ZF Lenksysteme GmbH様

ねじ転造工具

機械部品 ねじ転造工具の焼入れ・焼き戻し状態の監視により、研削工程を最適化

連続ねじ転造工具の研削工程を最適化するために、3MAを用いて研削状態を非破壊評価した事例です。

研削に伴う焼戻し領域、及び新たな焼入れ領域について、3MAで評価できることを確認しました。

画像提供:Profiroll Technologies GmbH様

ギアホイール

機械部品 表面硬化部品の残留応力と硬化深さの自動検出により、破壊検査コストを大幅削減

小型化された3MAセンサを用いて、ギアホイール歯面の硬化深さ、残留応力分布を計測した事例です。

硬さと残留応力に明瞭な差が生じていることから、ギアホイールの研削焼けを検出できることを確認しました。

画像提供:ミュンヘン工科大学 歯車研究所様

ホットスタンプ用鋼板

鉄鋼 ホットスタンプ用鋼板の引張強度特性計測(協力:株式会社第一機電様)

ホットスタンプ鋼板は、加熱・成形・焼入れの一連プロセスで強度特性を作り込む必要がありますが、プロセスパラメータの監視が困難でした。

生産性を阻害せず、高速・高精度な非破壊検査手法を確立する目的で、ホットスタンプ鋼板に対する3MA計測の成立性を検証しました。

0.2%耐力、引張強さ、一様伸び、破断伸びに対し、いずれも高精度な定量計測を達成しました。

鋼棒

建設 PC鋼棒の引張強度計測

PC鋼棒は、冷間引抜きと熱処理を経て、全長数kmの長尺で製造されています。しかし現在、引張特性は始終端数100mm分しか計測できていません。

生産性を阻害しない、PC鋼棒の全長非破壊検査手法を確立する目的で、PC鋼棒に対する3MA計測の成立性について検証しました。

降伏応力、引張強さともに、高精度な非破壊計測が可能であることを確認しました。

焼入れ硬化製品

自動車 パワートレイン部品の硬さ分布計測

エンジン部品の表面硬化処理後の品質は抜き取りのビッカース硬さ試験で検査され、不良の場合、ロット単位で廃棄されます。また、破壊試験終了まで半製品を中間在庫として抱えることになります。

そのため、製品の硬さ分布を非破壊で高速に定量計測する方法を確立するため、3MA計測の成立性検証を行いました。

結果、表面から深さ1.6mmまでの硬さ分布と有効硬化深さを同時に計測可能であること確認しました。

抵抗スポット溶接

鉄鋼 抵抗スポット溶接のナゲット径計測

抵抗スポット溶接部はたがね試験でナゲット径を検査していますが、製品が塑性変形する場合があり、また、作業者の安全性にも問題があります。

生産性を阻害しない、高速かつ高精度な非破壊ナゲット径計測手法を確立するため、3MAによるナゲット径の非破壊検査の成立性検証を行いました。

結果、2枚、3枚板組について良好な精度を達成しました。

また、3枚板組の融接されたテストピースに対し、薄板側と厚板側のナゲット径を1回の計測で同時に取得できる他、圧接と融接を非破壊で識別できました。

金属積層造形品

鉄鋼 金属積層造形品の硬さと残留応力計測(協力:丸紅情報システムズ株式会社)

金属積層造形品には大きな残留応力が発生するため、運転中の割れや疲労寿命低下の原因になると考えられています。このような強度特性を完全非破壊、かつ、簡便に計測する手法が存在しません。

そこで、金属積層造形品の残留応力を完全非破壊で検査する手法を確立すべく、3MA計測の成立性検証を実施しました。

結果、表面硬さ、残留応力に対し、高精度な定量計測が可能であることを示しました。また、溶体化処理と析出硬化熱処理を磁気的に判別できることも確認しました。

鋳造製品

鉄鋼 鋳造製品の硬さ、引張強さ計測

鋳造品のテストピースによる品質検査のため、毎月数百に及ぶ破壊試験を実施しており、これらを非破壊検査に置き換え、その材料費と工数を削減しようとしています。

そこで、鋳造製品の機械特性に対する3MA計測の成立性検証を実施しました。

結果、引張強さ、ブリネル硬さ、耐力、伸びに対し、いずれも良好な精度であることを確認しました。